呼気二酸化炭素を捉える工夫

前回の投稿で、
「呼気二酸化炭素をモニターする重要性はわかったが、サンプリングチューブ付きのカヌラを新たに購入しないといけないか」
という質問をいただいたので、回答しようと思います。
多くのクリニックさんでは、
鼻カヌラに二酸化炭素サンプリングチューブがついているものや、

Microstream™ Advance 非挿管用フィルターライン | Medtronic
中濃度酸素マスクにサンプリングがついているものなど、

カプノグラフィー用酸素マスク - R01A10011F - Well Lead Medical - 調整可能
このようなデバイスはなく、カプノメータがあるとしてもおそらく、全身麻酔も施行されているクリニックさんで、人工鼻に直接つなげるような、

サンプリングチューブ+モニターしかない、という形が多いのではないでしょうか?
できるだけ正確にモニタリングするために、できれば、サンプリング付きの酸素供給デバイスを購入していただくのがいいのですが、その場合に以下のように代替できることがあります。

サンプリングチューブの先に吸引管を装着し、漏れがないように吸引調節孔があるものであればテープで塞ぎます。
そして、

中濃度マスクの横から顔に添わせるようにして口元に先端を置きます。
ただし、挿管患者のように呼気を完全にサンプリングできるわけではないので、鎮静中の二酸化炭素のサンプリングはしばしば不完全なもので、下のような教科書的な矩形波をみるのは難しいこともあり、

しばしば、下のこのような形になります。

カヌラのサイドストリームにサンプリングがついているものなら口からの二酸化炭素排出は逃してしまうし、マスクのものでも、ある程度大気と希釈されたりして、正確に矩形波をみるのは難しいことがあるのです。あくまでご使用は自己責任でお願いします。
それでも、気道閉塞したり、呼吸停止していれば、この状態からでも波形は出なくなりますし、かなり有用なのは間違いないです。
改めて、鎮静中は、呼気二酸化炭素、カプノメータをモニタリングすることをおすすめします。詳しい運用を知りたい方はお問い合わせフォームからご連絡ください。
次回は、カプノメータの波形の見方、鑑別などを勉強していければと思います。